「会計や予約の管理をデジタル化して、人手不足を解消したい」。そんな神奈川県内の小規模事業者を後押しするのが、神奈川県の「小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金」です。
会計システムや予約管理、勤怠管理、セルフオーダー、生成AIツールなど、業務を効率化するソフトウェア・クラウドサービスの導入費を、県が3分の2(最大50万円)補助します。本記事では、対象になる経費・必須の事前相談・申請の流れを整理します。
制度の概要
- 補助率:補助対象経費の3分の2以内(例:75万円使えば50万円)
- 補助上限額:50万円(1事業者あたり1件のみ)
- 対象:神奈川県内に事業所のある小規模事業者(令和7年4月1日までに創業していること)
- 申請:e-kanagawa電子申請・先着順(予算到達で受付終了)
補助金の入金は事業完了後(実績報告の審査後・約2か月)です。先に自己資金で支払う必要があるため、資金繰りには余裕を持って計画しましょう。前年度(令和7年度)の採択率は約86.7%と高めですが、先着順である点にご注意ください。
補助対象になる経費
次の3区分が対象です。「①ITサービス導入費」または「②HP作成改修費」を必ず含める必要があり、③だけでの申請はできません。
| 区分 | 内容 | 上限・条件 |
|---|---|---|
| ①ITサービス導入費 | 各種システム・ソフト・クラウド・ECサイト等の導入費・利用料 | ①または②を必ず含む |
| ②HP作成改修費 | ホームページの作成・更新・サーバ利用料 | 上限10万円 |
| ③機械装置等費 | ①②の活用に必要なPC・タブレット・周辺機器等 | 合計上限10万円・単独申請不可 |
一方、次のような経費は対象になりません。
- Microsoft Office等の汎用ソフト、既存サービスの更新料・解約料
- 中古品、通信料・インターネット導入費、決済手数料、保守・保険料
- 交付決定日より前に発注・契約・支払いした経費(事前着手は一切不可)
- 県外事業者からの調達(県外調達理由書がない場合)、現金や代表者個人名義での支払い
補助の対象になる事業
人手不足の解消や業務効率化に資するデジタル化事業で、次の5つのプロセスのいずれか(複数可)に当てはまるものが対象です。
| プロセス | 主な取組例 |
|---|---|
| 業種特有業務の効率化 | 工程管理・生産管理・在庫管理・セルフオーダー・予約管理 等 |
| 経理業務の効率化 | 会計システム、見積・請求書発行システム 等 |
| 営業業務の効率化 | 顧客管理・受発注・契約管理、ホームページ作成・更新(上限10万円) |
| 労務管理の効率化 | 労務管理システム、勤怠管理システム 等 |
| その他の効率化 | マニュアル作成システム、生成AIツール、WEB会議ツール 等 |
「営業利益率が向上する事業であること」も主な要件です。
事前相談(必須要件)
本補助金は、申請前に相談機関による事前相談を受けることが必須です。面談で受け取る「相談シート(様式1-5)」を申請書類に添付します。これがないと申請できません。
- 相談先:(公財)神奈川産業振興センター、商工会・商工会議所 等
- 相談料:無料
- 注意:予約が混み合うこともあるため、先着順の申請に間に合うよう早めに予約を
交付決定後は、希望者は専門家派遣(無料・3回まで)も利用できます。
申請の流れとスケジュール
- 事前相談を予約・面談し、相談シート(様式1-5)を受領
- e-kanagawaの利用者登録、見積書の取得、県税の納税証明書・未病CHECKシートの準備
- 補助事業計画書を作成し、e-kanagawaで電子申請(公募期間内・先着順)
- 交付決定(申請から1〜2か月)→ 発注・導入・支払い(交付決定後・期限内)
- 実績報告 → 県の審査 → 補助金の交付(あと払い)
申請に必要な書類
- 補助事業計画書(様式1-3)・経費予算書(様式1-4)
- 相談シート(様式1-5・相談機関発行)
- 見積書(内訳の分かるもの)
- 決算書等2期分(法人)/確定申告書(個人)
- 県税の納税証明書(3か月以内)、企業経営の未病CHECKシートの結果
申請時の注意点
- 事前相談を受けていない/相談シートが用意できないと申請できません。早めの予約を。
- 交付決定前の発注・支払いは対象外。例外はありません。
- 先着順で予算が尽き次第終了。受付状況を確認しつつ早めの申請を。
- 現金払いや代表者個人名義の口座・カードでの支払いは対象外です。
よくある質問
Q. パソコンの購入だけでも申請できますか?
できません。機械装置等費(PC等・上限10万円)は、ITサービス導入費またはHP作成改修費と併せてのみ対象になります。
Q. ホームページの制作費はどれくらい対象になりますか?
HP作成改修費は上限10万円です。残りはITサービス導入費等と組み合わせて、合計で最大50万円(補助率2/3)まで申請できます。
Q. いつまでに申請すればよいですか?
公募期間内であっても先着順で予算到達により終了します。事前相談に時間がかかるため、できるだけ早く準備を始めることをおすすめします。